ブラックジャック必勝ガイド 勝つための基本戦略と考え方 ベーシックストラテジーとカードカウンティング

カジノで最も人気とも言えるブラックジャックですが、人気の理由は控除率の低さにあります。

最適な戦略(ベーシックストラテジー)を以て挑めば、控除率は0.5%程度と言われており、ギャンブルの中でも最も良心的な設定だと言えます。

しかし、実際にはこの良心的な設定を活かしきれずに、ダブルダウンすべき場所でダブルダウンをしなかったり、ヒットすべき場所でスタンドをしてしまうプレイヤーが多くいます。

ブラックジャックを遊ぶ場合には是非、最適な戦略と、プレイヤーに有利となる選択や状況について理解しておきましょう。

結論から言えば、これらを遵守することができれば、ブラックジャックはプレイヤーが勝つことができるギャンブルだと言えます。

控除率とゲーム選択

控除率とは、賭け金に対して胴元の取り分の割合です。

ブラックジャックの控除率は、最適な戦略を取った際には一般的に0.5%程度だと言われています。

これはルールによって変動します。

最もポピュラーな8デック・ソフト17でのヒットなし・スプリット後のスプリットなし・ソフトハンドのダブルダウン可・スプリット後のダブルダウン不可・サレンダーなしというルールであれば、控除率は0.58%程度です。

このルールはオンラインカジノでも一般的になっていますが、もちろん中には違うルールのカジノも存在します。この項目では、ローカルルールによる控除率の細かな変化について述べます。

数あるルールの中からゲームを選べる状況であれば、できる限り控除率が低いゲームを選びましょう。

デッキ数

何組のトランプを用いるか。

6組または8組が一般的で、デッキ数が少なくなれば後述するカード・カウンティングが行いやすくなり、プレイヤーに有利とされています。

あまり見かけませんが、1組のみの場合、控除率は0.1%以下にまで下がると言われており、カードカウンティングの影響を強く受けます。

ディーラーのソフト17

ソフトハンドの17、つまりAと6の組み合わせ(7or17)をディーラーがヒットするかどうかです。

ヒットするルールはプレイヤーが不利となり、控除率が0.2%も上がってしまいます。

スプリット後のスプリット

スプリット後に再度スプリットが可能かどうかです。

出くわす場面は稀ですが、これが認められている場合、控除率は0.03%程度下がります。

また、エースの再スプリットのみを認めないルールもあります。

エースの再スプリットを含めて全て認めている場合、控除率は0.09%程度下がります。

スプリット後のダブルダウン

スプリットをした後は、ダブルダウンを認めないことが一般的ですが、認めているルールも存在します。

これが認められている場合、控除率が0.1%程度下がります。

ダブルダウン

最初に配られた2枚に対して、いつでもダブルダウンができることが一般的ですが、10.11のハンドでのみダブルダウンができるルールや、ソフトハンドではダブルダウンができないルールがあります。

ソフトハンドのダブルダウンを認めないルールでは控除率は0.1%程度上がり、10.11のみでしか認められていない場合、控除率は0.2%程度上がります。

サレンダー

サレンダーは実際には行うべき状況はほとんどありませんが、サレンダーが認められている場合、控除率が0.05%程度下がります。

ベーシックストラテジー

ブラックジャックは、ヒットするか、スタンドするか、悩ましい場面が多々ありますが、これらの選択によって控除率が変動します。

”なんとなくこのまま引くとバストしそう”と思い、スタンドした結果、ディーラーがバストして勝利することができた。なんて場面も中にはあるでしょうが、長期的なスパンで見ればその時々の雰囲気や流れで選択することは誤りです。

ブラックジャックの控除率が0.5%程度になるのはプレイヤーが最適な選択を取り続けた場合であり、以下のベーシック・ストラテジーから逸脱すればするほど控除率は高くなってしまいます。

H…ヒット  S…スタンド

D…ダブルダウン  R…サレンダー P…スプリット

*…スプリット後のダブルダウン不可の場合はヒット、可能の場合はスプリット

サレンダー不可のルールでは、サレンダーの箇所はヒットが正しいとされています。

このベーシックストラテジーに沿って選択を行うことがブラックジャックの基本になります。

ディーラーの最終ハンドの期待度を考える

ベーシックストラテジーを考えるにあたって、ディーラーのアップカードから、最終ハンドを予測することは重要です。

ディーラーは17以上になるまでヒットしなければならないため、

最終的にはBUST,17,18,19,20,21のいずれかになります。

オープンされた1枚のカードから、ディーラーの手は以下のようになると予想できます。

ディーラーのアップカードが6の時でさえ、実はバストする確率は半分にも満たないのです。

また、アップカードがAであればBustする確率は11.5%と非常に低く、プレイヤーはたとえ15や16などのBustしそうな危険な手であってもヒットしなければならないのです。

ソフトハンドのダブルダウンについて

ハードハンド(10、11など)のダブルダウンは、13枚中4枚を占める10又は絵札を引けば勝率がかなり高くなるため、直感的にも理解しやすいですが、

ソフトハンド(A,5など)のダブルダウンは理解されにくい面があり、実戦でもソフトハンドではダブルダウンをしない方が多くいます。

しかし実際にはソフトハンドのダブルダウンは非常に有効な戦略であり、これを全く行わなければ控除率は0.1%程度上がると言われています。

例えば、ディーラーのアップカードが4の時、

A,5のソフト16はダブルダウンしますが、これは以下のような理屈で説明ができます。

まず、ディーラーのアップカードが4の場合、ディーラーのハンドの最終形は以下のようになります。

BUST…38.9%

17…12.8%

18…12.8%

19…12.3%

20…11.9%

21…11.4%

(A,4)の状態で1枚カードを引いた結果と、その確率と、その時の勝率

BUST…0%

16以下…8/13=61.5%

→勝率38.9%(ディーラーがBUSTした場合のみ)

17…1/13=7.7%

→勝率45.3%

(ディーラーがBUSTした場合+ディーラーが17の場合の半分)

18…1/13=7.7%

→勝率58.1%

19…1/13=7.7%

→勝率70.6%

20…1/13=7.7%

→勝率82.8%

21…1/13=7.7%

→勝率94.3%

以上を全てまとめた時、ダブルダウンをした際の平均勝率はおよそ64.8%となり、かなりプレイヤーに有利な状況です。

体感的には、8/13=61.5%と半分以上の確率で16以下の数字でスタンドすることになってしまい、ディーラーのBUST38.9%を祈る以外になくなってしまう状況ですが、長い目で見れば100回中65回程度勝利することができ、必ずダブルダウンをすべきだと言えます。

カード・カウンティング

ベーシックストラテジーを忠実に守ることで、ブラックジャックの控除率は0.5%程度に抑えることはできます。しかし、残念ながらこれだけでは長期的な勝利につなげることはできません。

ブラックジャックで本気で勝つためには、ベーシック・ストラテジーに加えてカード・カウンティング(単にカウンティングと呼ぶ場合もある)というテクニックを駆使する必要があります。

カード・カウンティングとは、既に場に出たカードを数え、残りのデッキ(山札)に残るカードの中から、どのカードが多く残っているのかを探る手法です。

デッキに多く残っていることでプレイヤーに有利なカード、又はディーラーに有利なカードがあります。

また、ベーシックストラテジーはあくまで、全てのカードが平等に出現する場合の最適戦略であり、残りのカードの状況によって、ベーシックストラテジーを守るべきではない場面もあります。

ディーラーに有利なカードとプレイヤーに有利なカード

一般的に、残りの山札(デッキ)の中に絵札カードとAが多くなればプレイヤーが有利2−6などの小さい数字が多ければディーラーが有利なゲームであるとされています。

絵札カードとAが山に多く残れば、以下のような理由からプレイヤーに有利なゲームだと考えられます。

・ブラックジャックが成立しやすい。

→実戦では、ディーラー側にBJを成立されてしまい、プレイヤーに不利な状況かと錯覚してしまう場面もあります。しかし、BJをプレイヤーが成立させた場合は賭け金2に対して3の支払いがあることが一般的です。対してディーラーがBJを成立させたとしても賭け金を多く取られることはないため、BJが成立しやすい状況はプレイヤーに非常に有利です。

・ダブルダウンが成功しやすい。

→主にプレイヤーが10,11の時に行うダブルダウンですが、絵札カードの割合が増えれば成功しやすくなり、プレイヤーが有利となります。

・BUSTしやすい。

→絵札カードがデッキに多くなるとプレイヤー、ディーラー共にBUSTしやすくなります。任意のタイミングでスタンドができるプレイヤーに対して、17以上になるまでカードを引かなければならないディーラーは不利となります。

対して、2−6のような低い数字は、”BJが成立しにくく”、”ダブルダウンが成功しにくく”、”BUSTしにくく”なるため、プレイヤーに不利なカードです。

7−9のカードに関しては、BJは成立しにくくなるものの、BUSTがしやすく、ダブルダウンも半分は成功すると考えられ、どちらが有利とも言えないカードだと考えられます。

従って、カード・カウンティングの基本は、既に出たカードのうち2−6の枚数と、10,J,Q,K,Aの枚数をカウントすることとなります。2−6の方が多く出ている場合、残りの山札は10-Aの割合が多く占めることとなり、プレイヤーに有利と考え、強気のベットをする戦略が有効です。

カード・カウンティングは、残りデックの枚数が少ないゲームでより有効に働きます。

カウンティングによるベーシックストラテジーの変化

ベーシックストラテジーは、全てのカードが平等に山札に残っている場合の最適戦略であるため、山札に残ったカードの偏りに応じて、戦略が変化することが考えられます。

例えば、プレイヤーのハンドが16ディーラーのオープンハンドが10だった時を考えてみましょう。

ベーシック・ストラテジーに沿うと正解はサレンダー。サレンダーが認められていない場合や、ヒットです。

実戦では、たとえヒットしたとしても自分自身がバストしてしまうリスクが大きく、運よくバストしなかったとしても、17や18では勝ち目が薄い。それならリスクを背負わずにディーラーがバストしてくれることを祈ってスタンドを選択したくなる方もいるのではないでしょうか。

ここで、前項で紹介した”ディーラーの最終ハンドの期待度”の表を元に、ヒットした場合とスタンドした場合の、それぞれの勝率を考えて見ましょう。

ディーラーのオープンハンドが10だった時、ディーラーの最終的なハンドは

Bust…21.2%

17…11.1%

18…11.1%

19…11.1%

20…34.2%

21…11.1%(内7.7%はBJ)

となっています。

ハンドが16でスタンドした場合、Bust以外は全て負けてしまうため、勝率は21.2%です。

一方、ヒットした場合、引いたカードによってそれぞれ勝率は以下のように変動します。

6以上…Bustのため0%

5…88.7% 引き分け3.5%

*ディーラーの21以外全てに勝ち、21に引き分け、BJに負け

4…54.5% 引き分け34.2%

*ディーラーの20に引き分け、21に負け、その他に勝ち

3…43.4% 引き分け11.1%

*ディーラーの17,18,BUSTに勝ち、19に引き分け

2…32.3% 引き分け11.1%

*ディーラーの17またはBUSTに勝ち、18に引き分け

A…21.2% 引き分け11.1%

*ディーラーのBUSTに勝ち、17に引き分け

引き分け(PUSH)は賭け金が戻されるため、今回は勝敗をわかりやすくするため、引き分けの確率の半分を勝利、半分を負けとして扱い、引き分けの勝率の半分を勝率に加算します。

5…90.5%

4…71.6%

3…49%

2…37.8%

A…26.7%

それぞれのカードを引く確率は平等に1/13であると考えると、ヒットした際の勝率は

0.905(1/13)+0.716(1/13)+0.49(1/13)+0.378(1/13)+0.267(1/13)

=0.212

つまり21.2%となり、ヒットしても、スタンドしても勝率が同じになります。

では、ヒットしてもスタンドしても、勝率は全く同じなのでしょうか?

実際にはそうではなく、ベーシックストラテジーに記した通り、0.1%以下の細かな差でヒットの方が勝率が高くなると考えられています。

この差は山札の中のカードの割合によって簡単にひっくり返り、7以上のカードの割合と、2-5及び Aのカードの割合、どちらがより減っているかで考えた方が懸命でしょう。

7,8,9,10,J,Q,Kの7枚と、2,3,4,5,Aの6枚が7:5の割合で平等に減っていれば、0.1%以下の差でヒットが正解だと言えます。

しかし、7以上のカードが既に多く場に出ている場合はヒット、5以下のカードが既に多く場に出ている場合はスタンドが正解だと言えるでしょう。

このように、ベーシックストラテジーは出ているカードの偏りにより、簡単に覆ることがあります。

0.1%以下の差しかない最適戦略

先ほど示した例のような、出ているカードによって最適戦略が簡単に変わってしまう状況の例を紹介します。

この項目で紹介する例は、選択による勝率の変化が0.1%以下だと推定されるものです。

プレイヤーのカード:16

ディーラーのカード:9、10

通常の選択:ヒット

→2-5,Aが多く残っている場合はヒット、残っていない場合はスタンド。

プレイヤーのカード:12

ディーラーのカード:2、3、4、5、6

通常の選択:2,3にはヒット、4,5,6にはスタンド

→5-9のカードが多く残っている場合はヒット。絵札が多く残っている場合はスタンド。

プレイヤーのカード:13

ディーラーのカード:2、3

通常の選択:スタンド

→4-8のカードが多く残っている場合はヒット。絵札が多く残っている場合はスタンド。

0.2%以下の差しかない最適戦略

次に、そこまで簡単には覆らないものの、著しいカードの偏りが見られた際に戦略をかえる余地があるものを紹介します。

この項目で紹介する例は、選択による勝率の変化が0.2%以下だと推定されるものです。

プレイヤーのハンド:(2,2)又は(3,3)

ディーラーのハンド:2-6

通常の選択:スプリット

→絵札の数が少なくなっている場合は、ディーラーはBUSTしにくいため、スプリットしない。

プレイヤーのハンド:10

ディーラーのハンド:9,10,A

通常の選択:9に対してダブルダウン,10,Aに対してヒット

絵札の割合が少ない場合はダブルダウンしない。

絵札及びAの割合が多い場合は10,Aに対してもダブルダウンする。

プレイヤーのハンド:11

ディーラーのハンド:9,10,A

通常の選択:9,10に対してダブルダウン,Aに対してヒット

絵札の割合が少ない場合はダブルダウンしない。

絵札の割合が多い場合はAに対してもダブルダウンする。